トップ > ご利用案内 > 舞台のページ
長野県伊那文化会館


あかてん(明転)
舞台が明るいまま舞台転換をすることをいいます。「いどころ換わり」や「回り舞台」、「スライディング・ステージ」、「迫り」などによる転換で使われることが多く、舞台裏の「見切れ」などをぼかすために多少光量 を落とす場合もあります。「暗転」の対語で、「めいてん」ともいいます。

あしびょうし(足拍子)
神楽・能楽・歌舞伎で足の裏全体で床を踏むことです。

アドリブ ad-lib
ラテン語の「好きなように、気ままに」という意味の言葉が英語化したものです。即興演奏の事や演劇などの台本に書かれていない即興的なせりふや動作のことをいいます。

ありもの(有り物)
劇場や劇団などがすでに所有していて新たに注文して作らなくてすむ物をいい、主に小道具・衣装などに用いる用語です。

アンコール encore
「再び」という意味の仏語が元の言葉です。バレエ・音楽会などで出演者の出来栄えをたたえて、拍手掛け声などを送って再度の演技(演唱・演奏)を求めることをいいます。また、好評であった演じ物を再演する場合に「アンコール公演」という呼び方をしています。

あんてん(暗転)
舞台転換を照明を消した暗い中で行う事をいいます。幕を開けたまま、舞台・客席とも照明なしで行う場合と、舞台は「暗転幕」を降ろして、幕の中に照明をつけた状態で行う場合とがあります。転換のない真っ暗な状態を、誤って「暗転」という人が多くなっています。

いかす(生かす)
一度中止したものを再び上演することをいいますが、かなり広い範囲に使われる言葉です。削った台詞を生かしたり、裏の仕事の手順や段取りを復活させたりする場合にも使います。

いしょうしらべ(衣装調べ)
衣装の「付け帳」によって整えられた衣装を、上演前に俳優各自が実際に着てみて、形・寸法・色彩 ・模様などが役柄にあっているかどうか、あるいは演技に支障をきたさないかなどの出来具合をしらべることをいいます。俳優・演出家・製作者・作者・舞台監督・衣装デザイナー・舞台美術関係スタッフなどが立ち会います。

いたつき(板付)
「板」とは舞台のことで、幕が開いたとき、あるいは廻り舞台が回ってきたとき、出演者がすでに舞台にいることをいいます。またその役のこともいいます。

いちのき(一の柝)
歌舞伎では舞台進行の合図として「拍子木(柝)」を用います。道具の転換をする場合、「転換用意」の合図に一度「チョーン」と打ち、次に「転換開始」の合図としてもう一度「チョーン」と打ちますが、この場合に最初に打つ柝を「一の柝」、次の柝を「二の柝」といいます。 いち(一)ベル 劇場で開演を予告するために鳴らすベル、ブザーまたはチャイムのことをいいます。ロビー、廊下などに居る観客に着席をうながす為に、観客席と、廊下の両方で通 常開演5分前に鳴らす「予鈴(よれい)」の事です。小さい劇場などでは3分前に知らせるもあります。尚、「二ベル」は開演ベルま又は本ベルといい開幕寸前に観客席で鳴らします。

いっちょうぎ(一丁柝)
歌舞伎において開幕中に使用される「柝」の用法の一つですが、「迫り」の上げ下げや「振り落とし」「振り被せ」などのきっかけの合図として打たれる単発の「柝」のことをいいます。「一丁の柝」あるいは「一丁」ともいいます。同じ一丁の柝でも、「幕開き」や「幕切れ」の「柝の頭」や「止め柝」と区別 した言い方です。

いってこい
舞台装置や照明の転換で、A場面の次にB場面になり、それが終わって、また元のA場面 に戻ることをいいます。本来は俳優が二つの劇場を掛け持ちし、A劇場からB劇場に行き、またA劇場へ戻ることをいう言葉です。

いっぱいかざり(一杯飾り)
@舞台全体に飾り込んだ舞台装置のことをいい、一つの演目の全幕を一つのセットで上演する場合にこういいます。 A「回り舞台」上に一杯の大道具を飾る事もこういいます。回り舞台上に二場面 あるいは三場面を飾った時、それぞれを「二杯(二面)飾り」「三杯(三面 )飾り」といいます。

いどころ(居所)
登場人物の舞台上の定位置を指します。歌舞伎では役によって位置する場所が大体定められています。主役は舞台中央か上手、脇役は下手に位 置するのがふつうで、女房役は亭主役より後ろに下がり身分の高い役は中央か、上手に座ることが多いようです。

いどころがわり(居所換わり)
回り舞台を使用せず、役者が居所のまま道具を転換させることをいい、種々の仕掛などを用いて観客席の目の前で舞台道具を変化させることです。「あおり返し」・「迫出し」・「がんどう返し」・「田楽(でんがく)返し」「引き道具」などがあります。

いれこみ(入れ込み)
劇場の入口の扉を開いて観客を入場させることをいいます。現在では開演30分前に始めるのが一般 的です。“開場”ともいいます。

いろもの(色物)
寄席演芸の総括的名称です。かつては寄席そのものを色物席と総称していました。東京の寄席が落語を中心に演じ物を組むようになってからは、漫才・奇術・太神楽・音曲・声色・紙切りといった落語以外の演芸を指す言葉となりました。中心となっている演芸に色どりを添えることからこの名があります。

インターバル interval
「幕間(まくあい)」、休憩時間のことです。

うける(受ける)
観客に喜ばれることをいいます。「受け」をねらう、などのように用いられます。

うちあげ(打ち上げ)
「千穐楽(せんしゅうらく)打ち納め」の意味で、興行の最後の日のことをいいます。現在では興行最終日に行う興行の無事終了を祝う祝宴のことをいいます。

うちだし(打ち出し)
一日の芝居の終わることをいいます。歌舞伎劇場で芝居が終わった時の合図として下座で「打ち出し」の太鼓を打つことから起こったと思われる劇場用語です。

うら/うらかた(裏/裏方)
「裏」は劇場の緞帳を仕切りとして、舞台側と客席側に分けた場合の舞台側を総称していいます。 「裏方」は出演者を除く舞台裏で働く全ての人を指す言葉です。舞台監督・大道具係・小道具係・衣装係・床山・照明係・効果 係・楽屋係などの総称です。

エピローグ epilogue〈仏〉
ある物語が終わった後に、より効果を上げるために付けられる短い場面の事をいいます。

えんしゅつ(演出) direction
「戯曲」や「脚本」の再生的イメージを立体的、時間的な具体的イメージに転換する仕事のことをいう言葉です。上演台本の決定から上演までの創造過程で、作品としてそのような形で観客に提示するかに主眼をおき、配役・俳優の演技・装置・照明・衣装・音響・効果 ・小道具などを統一して、芸術的に融合調和させる作業をいいます。公演態勢になってからは、「舞台監督」がこの役割を引き継ぎます。

えんしゅつか(演出家) director
「演出」の過程を具体的に実践する専門家のことです。「戯曲」を解釈し、その解釈に従い、俳優の稽古を行い舞台装置・照明・音楽などに指示を与え、芸術的・技術的な統一を図る人をいいます。

エンターテイナー entertainer
観客を楽しませる娯楽的要素を主とした演技を行う芸人のことをいいます。 エンディング ending 演劇や楽曲の終わりの部分のことをいいます。一つの公演の終わりの部分をどのように構成するかは、演出家や出演者の力点を置く部分です。

おおぎり(大切り)
歌舞伎狂言の並べ方の内、その日の最終の演目のことをいいます。「大喜利」とも書きます。 おおづめ(大詰め) 二幕以上の劇の最終幕のことをいいます。

オーディション audition
演出家・プロデューサー等のスタッフがイメージにあった演出を行うための出演者を選出するために、出演希望者の演技・歌・舞踊などについてテストを行うことをいいます。

おおべや(大部屋)
大勢の出演者が入れる楽屋のことをいいます。歌舞伎では端役の入る楽屋または端役のことを「大部屋」と呼んでいます。

おきどうぐ(置き道具)
机・椅子・戸棚などの家具類で舞台装置の一部として、幕が開いた時にすでに舞台上に置いてある小道具のことをいい、「出道具」ともいいます。「持道具」に対する言葉です。

おはやし(お囃子)
歌舞伎劇の伴奏音楽である「下座音楽」とその演奏者のことを指します。歌舞伎の囃子は、笛(能管)と小鼓・大鼓・太鼓(締太鼓)などで演奏しますが、この四つの楽器は舞台上に出て演奏することもある基本の楽器で、「四拍子(しびょうし)」といいます。その他三味線・大太鼓・篠笛などが主な楽器ですが、各種の管弦打楽器が含まれます。唄方と三味線方を除く「お囃子」の演奏者は「鳴物師」とも呼ばれます。現在では、鳴物や唄・三味線も含めて、「下座音楽」を演奏する人すべてを「お囃子」ということが多いようです。

おもてかた(表方)
劇場の緞帳を境にして、その表(観客席)側で働く人々のことをいいます。プロデューサー・入場券売り場の係・もぎり(入場受付係)・営業・経理・宣伝係などの劇場の興行経営面 にたずさわる関係者を総称していいます。

オン・ステージ on stage 舞台に出演者が上がることをいいます。

か(科)
「科」は「仕種(しぐさ)」を意味する言葉で、俳優の身体の動き全体を指す言葉です。身振り・動き・仕方・こなしなどともいわれます。

カーテン・コール curtain call
幕が降りた後に観客の賞賛の拍手に応えて再び幕を開けて喝采に応えること、または出演者が幕の前に出て喝采を受けることをいいます。最近はプログラムの中にあらかじめ「カーテンコール」が組み込まれていることもあります。

かいえん(開演)
興行(公演)などが開始されることをいいます。

かいしゃく(介錯)
扉や障子の開閉など演技者の動作・行動の介助をすることをいいます。そのほかにも舞台での作業全般 にわたって介助・補助することを「介錯する」といい、舞台では日常的に使われる言葉です。 かえし(返し) 演劇などの稽古の途中で具合の悪いところを、その小部分だけ繰り返して稽古する「小返し」のことですが、単に「返し」という場合も多いようです。

かおあわせ(顔合わせ)
公演の稽古始めに出演者スタッフ全員が集まって、文字通り顔を合わせることをいいます。また、所属劇団、プロダクションや分野などが違う出演者が同じ舞台に出演する場合に「異色の顔合わせ」といったりします。

かおよせ(顔寄せ)
歌舞伎興行の稽古に入る前に、上演関係者全員が集合して、作者が狂言名題を読み上げ、手を打って散会する儀式のことをいいます。これは明治時代に起こり、現在も続いていますが、歌舞伎以外でも、公演一座の臨時結成式として行われる場合があります。

かきぬき(書抜き)
本来は歌舞伎劇で、「脚本(台帳)」の中から一つの役の台詞(せりふ)だけを書抜きした物をいい、これを役者が受け取るとその役を引き受けたことを意味しました。今では広く各分野において、必要な部分を抜き書きすることなどに用いられます。例えば、道具帳の「書抜き」などといいます。

がくや(楽屋)
出演者が化粧したり衣装を着るなど、上演に必要な準備・待機をする部屋のことをいいます。現在では、舞台裏で働く人々の準備・待機をする場所の総称ともなっています。 かげいた(陰板) 舞台の陰の「板付き」の事です。公演の幕開きのときにすでに舞台の陰で待機している出演者のことをいいます。「板付き」に対する言葉で、「陰の板付き」の意味です。

かげうち(陰打ち)
歌舞伎舞台で俳優の動作に伴う音を誇張するために、大道具方が上手袖の床に「付板」を置き、拍子木で打つ「つけ音」のことで、それを「陰打ち」といいますが、単に「つけ」ともいいます。高揚する場面 を印象づける効果を出します。

かげまわし(陰回し)
舞台の幕を降ろし、観客の目を遮って回り舞台の転換をすることをいいます。

かざる(飾る)
大道具・出道具を舞台に組み立てる事をいいます。また「飾り込み」、「建て込み」、「組み込み」などともいいます。

かたりもの(語り物)
邦楽の歌と語りからなる物語音楽の中で、語り聞かせる叙情詩的な筋のあるもののことをいいます。「言葉」の内容表現やアクセントなどが重視される声楽曲のことで、代表的なものとして、平曲・浄瑠璃・講談・浪花節などがあります。

かはく(科白)
舞台俳優の「身体の動き(しぐさ)」と「言葉(せりふ)」全般を表す言葉で、科は「しぐさ」、白は「せりふ」を意味します。

かぶせる(被せる)
すでに飾ってある舞台装置の前面を、別のドロップまたは張物で覆い、それまでとは別 の場面にすることをいいます。

かぶりもの
俳優が扮装するための、かつら以外に頭にかぶる物の総称をいいます。

かみだし(上出し)
「回り舞台」を時計回りに上手側を舞台前方に回転させる事で、「逆回し」ともいいます。

かみて/かみ(上手/上) stage left /略記号L
観客席から舞台に向かって右側のことをいいます。日本独特の客観的言い方です。西洋では俳優の側からの見方で舞台から客席に向かって左(left)といいます。

からぶたい(空舞台)
舞台装置などが全く飾られていない空っぽの舞台のことを、また舞台上に出演者がいない状態のことをいいます。

き(柝)
人形浄瑠璃・歌舞伎などで使用する拍子木のことをいいます。柾目(まさめ)の通 った樫の木で造ったものを用い、劇の進行のいっさいの合図は、すべてこの拍子木の音で行います。

きえもの(消え物)
舞台の進行中に出演者が使用する飲食物・タバコなどをはじめとして、舞台で使うローソクなどや、破るもの・壊すものなどの消耗品を指し、主に小道具扱いの品物のことをいいます。今では意味が拡がり、効果 用の氷・ドライアイス・灯油など舞台裏の仕事での消耗品も「消え物」といっています。

ぎじゅつかんとく(技術監督)
プロダクション(一つの公演形態をとったある集団)における、技術的側面 のすべての統括責任者のことをいいます。現状の日本では、舞台監督がその任務を代行あるいは背負っているのが普通 ですが、本来的には舞台監督と技術監督とが別個に居て、公演の準備や遂行をすることが望ましいです。外国での技術監督の業務の実例を挙げると、劇場建物の管理、作業安全対策とそのための設備管理、劇場実務担当者の人事管理と福利厚生対策、年間の公演計画に従ってのデザイン締切日の設定や制作部門などの具体的スケジュールの決定、デザイナーとの打ち合わせ連絡などの窓口、各パートの責任者と協力して製作図面 の作成と必要経費の算出、などなどから始まって、公演終了後の舞台美術・衣装関係の品物の倉庫収納の手筈の調整から搬出・搬入の運搬の手配に至るまで、と実に広範囲にわたっています。我が国では、これから確立される仕事の分野です。

きっかけ cue
行動を起こす良いタイミングを表す言葉です。またはそれを知らせる合図のことをいいます。舞台の進行に必要ないろいろな合図全般 のこともこう呼んでいます。テレビ・放送などで使われてる、キュー(cue)の同意語です。

きっかけあわせ(合わせ)
稽古の中で、俳優の登退場のタイミングや裏の各パートのそれぞれの分野でのタイミング、・・・例えば照明の変化のスタートのタイミング、音響効果 の入るタイミングなど・・・を合わせる為に行う、きっかけだけを主眼とした稽古のことを「きっかけ合わせ」といいます。 きのかしら(柝の頭) 歌舞伎において、幕切れのせりふや動きあるいは下座またはちょぼの程よきところを「きっかけ」にして大きく打つ「一丁の柝の音」のことをいいます。世話狂言のときは、そのあとに段々小さく刻んでゆく「拍子幕の柝」を続け、幕が閉まるのに合わせてひときは強く「止め柝」をいれます。

きまる(決まる)
歌舞伎において、演技の振りが、高潮に達するか一区切りついた時、一瞬静止して形をつけることをいいます。かりに演技に句読点をつけるとすれば、「見得」は句点「。」であり、「きまる」は読点「、」と言えるでしょう。

きゃくしょく(脚色)
小説・随筆・詩などの演劇のための作品でないものを、演劇上演のために脚本に書き直すことをいいます。

きゃくほん(脚本)
俳優によって舞台で演じられる事柄を、「せりふ」を主体に、「ト書き(演出・演技・装置・照明・音響効果 などに関する作者の指定)」をいれて文字で表現したものをいいます。脚本は戯曲とほぼ同義語ですが、脚本はあくまでも演劇上演を目的とした作品です。

きゃくまわし(逆回し)
「盆(回り舞台)」を時計回りに上手から下手の方向に回すことをいい、「本回し」の逆なのでこう呼びます。一般 的に「上(かみ)出し」と呼んでいます。

くろご(黒衣)
歌舞伎において、登場人物や、舞台の進行について介添えをする人(後見=こうけん)のことをいいます。黒木綿の衣服に黒い頭巾を被り、舞台上で合引(あいびき=舞台に控えている役者の形を整えるために使われる黒い腰掛けの一種)を出したり、品物を渡したり、俳優の衣装を変化させる手伝いをしたり、不要になった小道具を片づけたりする役です。歌舞伎をはじめ舞台の世界では「黒」は「無」を意味するので「黒衣」は居ないものとみなす約束事となっています。ときに「黒子=くろこ」と誤記、誤読されることがありますが、「黒子」は「ほくろ」と読みます。背景が海や雪の場面 の場合に、水色や白の衣装を着ることもあります。

けい(景)
演劇の脚本の中の場面割りのうち、一つの幕を小さく分割したものの呼び方です。第一幕・第一景のように使います。

げざおんがく(下座音楽)
歌舞伎劇の伴奏音楽のことをいいます。三味線・鳴物・唄のうちの一つだけの伴奏によるものと、それぞれが組合わさったものがあり、琴や胡弓が加わることもあります。長唄囃子連中が担当します。歌舞伎の中で舞踊劇と写 実的要素の多いしぐさとせりふを主とする科白劇とが区別されるようになり、舞踊劇では「出語り」や「出囃子」といって舞台に並んで演奏しますが、科白劇の伴奏音楽は観客から見えないところで演奏をするようになりました。舞台下手大臣柱の外の黒板塀で囲まれ、黒御簾(みす)を掛けた中で演奏します。「黒御簾音楽(くろみすおんがく)」ともいわれています。

けす(消す)
舞台上に飾り込んだ大道具、小道具などが演出上の変更などで不要になった時に取り除くことをいう言葉です。

ゲネプロ Generalprobe<独>/略記号G.P
独語Generalprobe(一般試演の意)の略された言葉で、舞台稽古のことを指します。本番と全く同じ条件で舞台で行う稽古のことで、オペラの分野でよく使われる言葉です。 こうけん(後見) 歌舞伎において演技中の俳優の後に控えていて、衣装を直したり、着替えを手伝ったり、小道具の受け渡しや片づけなどをしたりする人のことをいいます。歌舞伎では多くの場合、黒い衣装に黒頭巾の「黒衣(くろご)」がこれに当たりますが、舞踊や特定の演じ物では紋付き袴や、裃(かみしも)姿で介添えをします。さらにかつらを付けて務める演目もあります。

こうばん(香盤)
出演者名とその役と出演場面を書いた一覧表のことをいいます。後に、切符売り場で使う観客席の座席を描いた図表で、前売りで売れた席を消してゆく物のことも「香盤」というようになりました。

こがえし(小返し)
演劇などの稽古の途中で具合の悪いところを、その小部分だけを繰り返して稽古することをいいます。

こぎれ(小切れ・小裂)
衣装に付属する小さな布類、またはそれを扱う人を指す言葉です。手拭い・足袋・シャツ類と暖簾など大道具に付ける物も取り扱いますが、衣装・小道具とも分類は難しく、主に実用的な布製品を指します。

こけらおとし(柿落とし)
新築または改装した劇場での初めての興行のことをいいます。

こどうぐ(小道具)
舞台で使う家具什器、室内の装飾品、俳優が携帯する品物などの総称です。またその担当者のことは「小道具方」といいます。舞台で使用される、装身具・鞄・刀・傘など手に持つ物(「持道具」)、家具などの舞台に置く物(「置道具」)、ローソク・食品など舞台上で無くなる物(「消え物」)馬・篭などの乗り物などの諸道具のことをいい、大道具・衣装などと区別 は複雑で、例えば、家の雨戸は大道具ですが、それに人を乗せたり、立ち回りに使ったりすると小道具の担当になります。

さんきょく(三曲)
地唄や琴の合奏形式の名称です。現在では箏(そう)、三絃、尺八の三種類の楽器で合奏することをいいます。江戸時代には、尺八が一般 人には禁止されていましたので、主に箏、三絃と胡弓で三曲合奏が行われていました。

シーン scene
場面または情景を意味する言葉で、多様な使い方をします。

じうた(地唄)
邦楽の一種目である上方唄の別名で、江戸時代初期から京阪地方で行われ、盲人音楽家によって大成されました。主に家庭音楽として発達し、唄いながら三味線を弾く、弾き唄いを原則としています。三味線の技巧は最も繊細で、左指の使い方が複雑です。やや太く大きい三味線、中桿を用います。

しかけ(仕掛け)
演出上の要求から、大道具・小道具、衣装などに変化する仕掛けをすることをいいます。

じかた(地方)
歌舞伎舞踊(日本舞踊)等で、踊り手に対して唄や三味線等の音楽演奏する人(お囃子連中を除く)の事をいいます。これに対して踊り手を「立ち方(たちかた)」といいます。

しこみ(仕込み)
上演にさきだって劇場で各分野の裏方が必要な準備をしてセッティングをする事をいいます。

して(仕手) 能における主役を演じる役柄のことをいいます。

しびょうし(四拍子)
能の囃子に使われる小鼓・大鼓(おおつづみまたはおおかわ)・太鼓・能管(笛)のことをいいます。またそれらの演奏者をも指します。この四種の楽器は下座音楽などの邦楽でも使われています。

じまえ(自前)
俳優が演技に必要な衣装や小道具を、自分の持ち物を使う時に「自前」で、といいます。いわゆる専門業者から借りないで調達をすませることです。

しもだし(下出し)
回り舞台の回し方で下手側を舞台前方から上手側の方向に回していくことをいいます。古くは「本回し」というのが正しい言い方だったようです。

しもて/しも(下手/下) stage right/略記号R
観客席から舞台に向かって左側のことをいいます。日本独特の客観的言い方です。西洋では舞台から客席に向かって右(right)といいます。舞台の下手と上手の両方を指すときに、よく「しもかみ」という言い方をします。

しゅうえん(終演) 最終幕の緞帳が降り公演が終了することをいいます。

じょうしき(定式)
舞台で使用される大道具・小道具・衣装などで一定の約束事で決められた物をいいます。

じょうしきもの(定式物)
歌舞伎の伝統の中で作られた劇場に常備されている、基本的な大道具や道具類で、絵柄や寸法が定(き)まっていて演目によって使う種類がきまっている大道具のことをいいます。組み合わせや応用がきく寸法に出来ています。同じように演目によって決まっている小道具・衣装・かつらなどの事もこう呼んで居ます。

しょにち(初日)
興行第一日目のことをいいます。歌舞伎では、従業員がいずれも座頭格の俳優の元へ行って賀詞を述べ、俳優は各自、終演後自宅へ門弟を集めて酒宴を開きました。

せりあげ(迫り上げ) 「迫り」で舞台に登場することをいいます。

せりさげ(迫り下げ)
「迫り」で舞台面より下げて退場することをいいます。

せんしゅうらく(千穐楽・千秋楽)the last night of“○○○”
興行の終了のこと、またはその日を指す言葉です。昔は秋興行の末日と、顔見せ芝居の末日のことで、このとき俳優一同が舞台に並び、口上(こうじょう)を述べて、座元が立って千穐楽の舞を舞ったことから起こった名称です。転じて、今ではすべての興行に使われる様になりました。略して「楽(らく)」といいます。劇場の火災を恐れたために、秋の字を使わずに穐の字を使いました。

そうげいこ(総稽古)
最終段階の通し稽古のことをいいます。このときまでに衣装調べが終わっていれば、衣装を着け、持道具なども使用します。「そうざらい」ともいいます。

そうざらい(総浚い)
歌舞伎劇の稽古は「読合せ」「立ち稽古」「付け立ち(つけたち)」と進行し、「総浚い」の後で初日を迎えます。道具の方で、仕掛物や早替わりなどがある場合には、別 に「道具調べ」でその手順を浚います。今の「舞台稽古」に相当する言葉です。

そで(袖) 
wings 舞台の下手側と上手側の観客席から見えない部分を指す言葉です。舞台の「ふところ」というところもあります。

だいほん(台本)
上演に必要な条件・指示などが記入してある脚本のこと、つまり、上演に当たって劇の仕組み・舞台装置、せりふ、ト書きなどを完全に記録した脚本のことをいいます。昔は「台帳」といいました。今では上演用の「脚本」のことを意味する「上演台本」の略語として用いられます。

だしもの(出し物/演じ物)
興行の演目つまりレパートリーのことをいいます。

たちげいこ(立ち稽古)
演劇などの稽古で台本の読み合わせの次の段階として、立って演技、動作を加えていく稽古のことをいいます。この段階で装置プランに基づいて「二重」が組まれたり、持道具・音響効果 などが付く場合もあります。最終的には、「舞台稽古」の段階まで進むことになります。

だめ(駄目)
一般的に俳優の演技や舞台美術(道具・衣装)、照明などで、演出方針やデザインにそぐわない部分や寸法違いをいいます。

だめだし(駄目出し)
演出家、担当スタッフが上演に関するすべての事柄の良くない部分を修正して行くために、具合の悪い部分を指摘し、こうして欲しいと要請を出すことをいいます。公演態勢に入ってからは、主に舞台監督が「だめ」を統括し、各担当者に訂正を指示します。囲碁の駄 目から転じた演出用語です。 ちょぼ 歌舞伎劇に出演する竹本(義太夫節)連中の事をいう俗称です。観客席から見て舞台右手の大臣柱の外側の二階の位 置で演奏するので、この場所を「ちょぼ床」といいます。人形浄瑠璃(文楽)の義太夫より軽視された意味が込められている呼び方です。

ちょん・ぱぁ 日本舞踊などで、華やかな場面の幕開きを一層派手に見せる演出上の手法で、暗い中で幕が開き切って入る「一丁柝(いっちょうぎ)」でスイッチ・インする操作や、大詰めのキマリの「一丁柝」で、半明かりの客席照明を一瞬に明るくすることなどの操作をいう俗称です。

つかいまわし(使い回し)
本来は一つの芝居で使った出道具を、同じ興行の別の芝居で、もう一度使う事をこのように呼びました。今では、同じもの(大道具・小道具・効果 音など)を他の演目や場面に利用することもいいます。

つけ〔うち〕(付け〔打ち〕)
歌舞伎においては緊迫した演技動作や「見得(みえ)」の決まりなどをより効果 的にするために、舞台の上手の端の床上に置いた「付板(つけいた)」を拍子木で打って音を出して誇張します。これを「つけ」といい、これを打つ人を「つけ打ち」といいますが、大道具方の受け持ちです。 つけいた(付け板) 「つけ」を打つとき、拍子木で叩く板のことです。

つけちょう(付け帳)
ある演目の、一人一人の役(俳優)について、場面ごとに持道具・衣装・かつら・小切れ・履物などの必要なすべての物を詳細に調べ、演出家と打ち合わせて、それぞれを一冊の帳面 にした物のことをいいます。この「付け帳」によって各担当者が制作または調達をして、立ち稽古や舞台稽古に間に合わせます。「付け」という場合もあります。

で(出)
舞台に登場することまたは登場していること全般をいう言葉です。「出待ち」・「出語り」・「出打ち」などと使われます。 でいり(出入り) 舞台への登場、退場のことをいいます。

てうち(手打ち)
@劇場行事の名称の一つです。近世から歌舞伎界では、祝い事や取り決めの後に、関係者一同揃って「手打ち」をするのが習わしで、打ち方は三・三・三・一の数に打ち、これを「一本締め(いっぽんじめ)」といいます。また二度繰り返す、三度繰り返すこともあり、それぞれ二本締め、三本締めといいます。「手締め」ともいいます。 A劇団や演奏団体の「手打ち(自主)興行」のことをいいます。

ではやし(出囃子)
@歌舞伎音楽の演奏形式で、舞台の正面奥や下手または上手に浄瑠璃台(現在ではこれを一般 に『山台』と呼んでいることが多いようです)を組んで、その上に、地方・お囃子連中が出て演奏をする場合をいいます。 A寄席などで落語家や漫才などの登場に使われる音楽(三味線・太鼓など)のことをこういいますがコントなどの登場のためのテープなどによる音楽をいうこともあります。

どうぐしらべ(道具調べ)
歌舞伎では舞台稽古を順調に進行させるために、舞台稽古に先立って、大道具・出道具を飾って手落ちがないかを点検することをいいます。近年では照明などを含めた技術リハーサルにまで範囲を拡げてこの言葉が使われます。

どうぐちょう(道具帳)
舞台装置のデザイン・プランのことをいいます。各幕各場ごとの舞台面透視図(色彩 立面図)が基本ですが、各場面平面図・各部分詳細図など、大道具製作やセッティングの上で必要なものすべてを総称していいます。

とがき(ト書き)
脚本の中で、登場人物の特徴(表情や動作など)や出入りや場面の状況・照明・音楽・効果 などの指定を、セリフとセリフの間に書いたものをいいます。由来は歌舞伎の脚本では、作者が台詞(せりふ)意外に特に演技の指定などをしたいときに、せりふの後に「ト門口へ行こうとする‥‥」などのように、必ずはじめに「ト」と付けて書いたことからでた言葉です。

とくしゅこうか(特殊効果)
一般の舞台美術・照明の分野に含まれないものによる視覚効果のことをいいます。舞台ではスモーク・マシン、ドライアイス、炭酸ガスなど、煙効果 が主ですが、テレビ・映画ロケでは火薬や爆薬、火焔などの効果も扱われます。

とこやま(床山)
歌舞伎用語で、演技者の使用する「かつら」の装着、手入れ、保管などを担当する係のことで、それらを行う部屋を床山部屋といいます。

とちる
本来は俳優が舞台上の動きにきっかけをはずしたり、登場のタイミングをはずしたりすることを表す言葉です。現在では意味が広がって、せりふを間違えたり、演技をやりそこなったり、まごついたりすることにも使います。さらに、俳優だけでなく裏方が転換のきっかけを間違ったり、舞台上でへまをすること全般 をも「とちる」といいます。

とっこう(特効) 「特殊効果」の略語です。現場ではよく使われる言葉です。

とばす(飛ばす) 幕類・大道具などの吊物を「フライズ空間」に吊り上げることをいいます。舞台準備中に照明器具を吊り上げる時などにも使われます。

ドライ・リハーサル dry rehearsal

テレビ用語で、カメラを通さずに行われる稽古のことをいいます。本番前のカメラ・リハーサルに備えて行います。

とる(取る)

舞台関係者は、「終わる」「終わり」などのことばを嫌います。終わる・終わりの同義語として「取る」「取り」を使います。また、「上がる」という使い方をする時もあり、たとえば、「これで稽古を取って上がりましょう。」という用に使います。

とれる 終演となること、または稽古が終わることをいいます。

とんぼ(筋斗)
歌舞伎の代表的タテの一つで、主役に投げられたり切られたりした役者が、舞台上でもんどりを打って宙返りすることをいいます。「とんぼを切る」という言い方が普通 に使われます。

なかび(中日)
芝居興行のちょうど半ばの日のことで、この日に幹部俳優が楽屋の者、その他に祝儀を出す習慣があり、その祝儀の名称にもなっています。今でも一般 の興行のはぼ中間に当たる日をこういいます。

なかまく(中幕)
歌舞伎狂言の並べ方を表す言葉で、一番目の次に上演する一幕物の演目のことをいいます。 なりもの(鳴り物) @下座音楽に使われる三味線以外の楽器の総称です。太鼓・大鼓(おおかわ)・小鼓・笛・大太鼓を中心とした、使われるすべての楽器のことをいいます。 A三味線と唄以外の器楽の合奏のことをいい、その合奏団のこともいいます。また、洋楽などの打楽器奏者が用いる種々の小物をいうこともあります。

にはいかざり(二杯飾り)
回り舞台での舞台装置の飾り方の一つで、背中合わせに異なった二場面を組み立てることをいいます。

に(二)ベル
「本鈴」のことをいいます。開演を知らせる合図ですが、ベルに限らず、チャイム・ブザー・合成音やS・E(効果 音)・音楽などを使用することもあります。

ぬきげいこ(抜き稽古)
演出家の要望によって、重点的に稽古をする必要のある部分を抜き出して行う稽古のことをいいます。また、出演者の不在などの都合によって、出来る部分のみを稽古する場合にもいいます。

ば(場) scene
演劇の脚本の中の場面割りのうち「幕」に次ぐ区切りである「場」を表す言葉で、第二幕第三場のように使います。

はく(白)
「白」は「台詞(せりふ)」を意味する言葉で、舞台で俳優が話す言葉をいいます。その言葉には「対話(dialogue)」、「独白(monologue)」、「傍白(aside)」などがあります。 はねる その日の上演が終了したことを指す言葉です。

ばびる/ばみる
舞台稽古の際に、舞台上で出演者や大道具・小道具などの位置を決めて、決めた位 置の床等に粘着テープなどで目印を付ける事をいいます。「ばみる」ともいいます。

はやがわり(早替わり) quick change
本来は歌舞伎の演出の一つで、同じ俳優が素早く変身することをいいます。衣装はもちろんメーキャップ・結髪(かつら)まで替えることが多く、大道具なども含めて場面 を全く異なったイメージに転換させる場合に用いることもあります。

ばらす
設置してある道具・機器などを撤収することをいいます。また、不要になった大道具などを解体・処分することもいいます。

パロディー parody
良く知られた作品等の一部を模しながら、内容を変えて滑稽化したり、風刺したりすることをいいます。

はんだち(半立ち)
読み合わせと立ち稽古の中間的段階の稽古で、俳優がせりふを覚えきれずにいる段階で、台本を手にして大体の動きを追いながら、読み合わせを行なう稽古のことをいいます。

はんまわし(半回し)
回り舞台を四分の一(90°)だけ回すことをいいます。今までのセットの側面 や、塀の外等別のシーンへ移行する演出を行なう場合に効果的な、回り舞台の使用技法です。

ひきぬき(引抜き)
歌舞伎における衣装の早替わりの手法です。数枚の衣装を前もって着込んでおいた俳優が、舞台上で演技しながらきっかけで上の衣装を素早くはぎとり、一瞬のうちに別 の衣装に替える事をいいます。引抜きは「後見(こうけん)」が手伝うことになっています。

ひのきぶたい(檜舞台)
一流舞台を意味する言葉です。昔、歌舞伎劇場のうち大劇場の舞台が檜の板で張られていたことから起こりました。

フィナーレ finale
本来は音楽用語です。一演目のうちの終幕部分、大詰めのことをいいます。

ぶたいかんとく(舞台監督)
演出家を助けて、上演のための実務的な調整や進行の全責任を負うと共に、初日が開いてからは、演出家の意図に沿って舞台の進行を統括する専門家のことをいいます。

ぶたいげいこ(舞台稽古)
観客を前にする初日前の最終稽古として、公演する舞台での一切の条件を本番どおりにして行なう稽古のことをいいます。この間に演出家を中心に、すべてが確認・点検・修正・決定されます。

ぶたいてんかん(舞台転換)
一つの公演の中で、次の「演目」や「幕」、「場」の為に場面(舞台装置)などを換えることをいいます。

ぶたいびじゅつ(舞台美術)
舞台における、演出に必要な視覚的要素を総称する言葉です。舞台装置(大道具・小道具)のほか、演技者の衣装・かつら・メークアップ・舞台照明まで含まれる表現です。

ふところ wings
観客席からは見えない舞台の下手・上手の空間のことをいいます。「舞台袖」または略して「袖」と言うこともあります。

ふりおとし(振り落とし)
歌舞伎における場面転換の一つの手法です。舞台上部から吊ってある「浅葱幕(あさぎまく)」、「黒幕」「道具幕」などの幕をきっかけで一瞬に落とす技法ですが、次の場面 が一瞬に現れる効果のため観客に強い印象を与えることができます。「切って落とす」ともいいます。「振り竹」という仕掛けのあるバトンによって操作します。

ふりかぶせ(振り被せ)
歌舞伎における場面転換技法の一つです。場面が終わった所で、舞台上部に仕込んでおいた「浅葱幕」や「黒幕」などを一瞬のうちに降ろして広げ、その場面 を覆い隠す事をいいます。振り被せた幕の前で演技をしている間に後で転換を終え、被せた幕を再び振り落として一瞬のうちに次の場面 に移行する「振り被せ・振り落とし」の転換も可能です。いずれの場合もきっかけの合図としては一つ打つだけの「一丁柝」で行ないます。

ふりつけ(振付) choreography
舞台の身振り・手振り・舞などの順序や段取りを考案することをいいます。また、その振付をする人を振付師と呼びます。また音楽などによって肉体の動きを考え、演出者に動きを付けることもいいます。

プロローグ prologue
序詞・序幕のことで、ドラマの導入部で主題や人物の紹介などを簡単に行なう部分のことをいいます。「エピローグ」に対する言葉です。

プロンプター prompter
プロンプター・ボックス(歌劇場の舞台前端の中央に観客から見えないように作られた囲い)か、または、観客から見えない場所から台本を見ながら、舞台上の俳優や歌手に小声でせりふやきっかけを教える役の人のことをいいます。歌舞伎では狂言方や後見がこの役割を務めます。かつてイギリスでは、舞台の上手側にプロンプターが居る決まりが有り、現在でも上手をプロンプト・サイド(P.S)、下手をオポジット・プロンプト・サイド(O.P)と表す場合があります。ただし、アメリカでは下手、上手が入れ換わって、下手をプロンプト・サイド、上手をオポジット・プロンプト・サイドといいます。

プロンプト・サイド prompt side/略記号P.S
イギリスの比較的古くからある専門劇場で使われていた」用語で、プロンプターがいつも座っていた方向から生まれた、舞台の「上手」を指す言葉です。アメリカでは普通 、「緞帳」の操作を行なう場所が下手側にあり、プロンプターもその近くに」いるため、この言葉は「下手」を意味しますので注意が必要です。

ほんあめ(本雨)
通常、降雨のシーンは音響や照明の効果によって行ないますが、必要によっては本物の水を降らせる事があります。それを「本雨」といいます。

ほんばん(本番)
映画界からの言葉で、テレビ・ラジオでよく使われている用語です。生放送の場合は本放送のことを、録画・録音などの場合は最終録画(音)のことを指します。今では、広く観客の前で興行として上演することもいいます。

ほんまわし(本回し)
盆(廻り舞台)の回し方で、下手から上手の方向に回すこと、つまり反時計回しのことで、一般 的には「下(しも)出し」と呼んでいます。

ほんみず(本水)
舞台上で本物の水を使って演出効果を高めることをいいます。大きな水槽などによる大掛かりな場合もあります。

ほんよみ(本読み)
上演戯曲が決まって、稽古の入る前に、スタッフ・キャストを集めて、作曲または演出家が脚本を読んで聞かせることをいいます。これによって登場人物の役柄や演出法を理解させ、作品の情緒を知らせることが容易になります。

ほんれい(本鈴)
開演を予告する「予鈴(よれい=通常5分前)」に対して、開演を知らせる合図のことです。普通 はブザーですが近年はチャイムや音楽などテープ録音によるものもあります。

ま(間)
俳優の科(しぐさ)、白(せりふ)などの行動と次の行動との間の「間合い(まあい)」の事をいいます。その「間合い」の取り方で緊張感に起伏が生まれます。「間に合う」「間が抜ける」などは、これから出た言葉です。

まき(捲き) 舞台などの進行を早くすることをいいます。

まく(幕) act
一つの作品の中の大きなシチュエーションの区切りを「幕」、その幕の中に含まれる場面 や時間経過などの小さな区切りを「場」といいます。

まく(幕) curtain
舞台で使用されるいろいろな用途の布製の幕類の総称です。舞台機構・設備の一部で、吊り物として使われる「緞帳」「中割幕」「袖幕」や、舞台装置の一部として使われる「背景幕」「段幕」などがあります。

まくあい(幕間)
一つの公演で演目と演目の間や一演目の場面と場面の区切りに幕を閉めます。この幕の閉まっている間のことをいいます。この「幕間」は観客にとっては休憩時間ですが、出演者と裏方にとっては次の場面 の準備の為の時間です。幕間は「まくま」ではありません。「まくあい」と読んで下さい。

まくあき(幕開き)
一つの劇の一つの場面の幕が開き始める数瞬のことをいい、それは舞台の第一印象と言えるもので、重要な瞬間です。最近では物事の始まることをの何々の「幕開け」とよく表現しますが、演劇の用語としては「幕開き」が正しいのです。また開幕直後の一つの場面 、つまり序幕を指すこともあります。

まくうち(幕内)
いわゆる舞台裏全般の総称で、そこに働く人をいう事もあります。楽屋を表す「幕の内(まくのうち)」という本来の言葉から来ています。 まくぎれ(幕切れ) 一つの場面が終わって幕が降りる直前の数瞬間のことをいいます。最後の印象を残す瞬間なので「幕を切る」といって舞台芸術では最も重要視されています。また、閉幕直前の一場面 、つまり終幕を指すこともあります。

まくそと(幕外)
歌舞伎の幕切れに、幕を引いた外側、主に花道で演技が続く状態をいう演出用語です。この時は、演技を続けている俳優を印象づけるために、「定式幕(じょうしきまく)」は全部閉めずに下手黒御簾前だけ開けておきます。演技スペースを拡げるために、幕を奥へ引き寄せるのが普通 です。

まつばめもの(松羽目物)
題材を能あるいは狂言から取った歌舞伎舞踊のことをいいます。背景には能舞台と同じように正面 に根付きの老松を描いた「松羽目」、左右の袖には竹を描いた「竹板目」、下手に「揚幕」、上手に「切戸口(臆病口)」を使うのが普通 です。

まわる(回る)
回り舞台(盆)を回して舞台転換をすることをいいます。歌舞伎の「脚本(台帳)」で「回る」と書いてある場合は「明転」を指す場合が普通 です。

みえ(見得)
歌舞伎独特の演技形象のひとつで、芝居が最高潮に達した場面で、演技の高揚を誇張した表情や形でストップモーションにして見せる事をいいます。「見得を切る」演技の基本は「にらみ」で、怒り・悲しみなどを首を振ったりしてにらみをきかせて表現します。通 常、「見得」の印象を強めるために「つけ」を打ちます。

みきれる(見切れる)
大道具を飾り付けたとき、観客席から舞台裏が見えてしまうのを「見切れる」といいます。これは「見切り」の位 置が悪いか、その寸法の見込み違いが原因です。

もぎり
劇場・ホールなどの入口でチケットをチェックして、半券をちぎること、またその係のことをいいます。

もちどうぐ(持道具)
出演者が持って舞台に登場する小道具のことをいいます。装身具・ステッキ・刀剣などは持道具として公演期間中はふつう出演者が保管します。持道具・陰道具などの区分は複雑で明確な物もありますが、長い間の伝統的習慣で分けられています。

やたいくずし(屋台崩し)
舞台転換法の一つで、演技の進行中に仕掛けによって舞台装置の一部または大部分を崩すことにより次の場面 に移行する、また天変地異や戦乱のような災害場面を、観客の眼の前で展開して見せる技法のことをいいます。

やまば(山場)
演劇・舞踊・音楽などの全体的流れの中で、最も大切なあるいは高揚する部分をいいます。

よみあわせ(読み合わせ)
俳優が演出家を中心にして、各自の持ち役を声にして読んで、その駄目出しを受けながら、各人物の性格や行動などを研究しあう稽古の一段階のことをいいます。

よれい(予鈴)
開演を予告する合図で、通常5分前に客席・ロビーに鳴らします。「一ベル」ともいい、「本ベル(ニベル)」に対する言葉です。

ラン・スルー run-through
テレビ業界用語で、場面ごとに区切りながら(ブロッキング)でなく、全体を通 して行なう稽古のことをいいます。

リサイタル recital
独唱会・独奏会・独演会の事ですが、二人以上のソリストの合同演奏会の場合は、ジョイントリサイタルといいます。

リハーサル rehearsal(RH)
演劇や音楽の練習のことをいいます。舞台ではドレス・リハーサル(衣装・持道具などを付けた総稽古)、テレビ関係ではカメラ・リハーサル、ドライ・リハーサルなどがあります。

レビュー revue<仏>
パリやロンドンで始まった歌や踊り、寸劇などを入れたバラエティー・ショウのことで、次第に映画・オペラ・バレエなどの要素も取り入れられ、大がかりな音楽と踊り(ときにはスぺクタクルな)の加わったショウの形式のものになりました。

わき(脇)
能において主役の「シテ」に対して相手役を演ずる役柄をいいます。

わらう
片付けることを表す言葉で、舞台上の人物や道具類などが不必要になったときに退けることをいいます。

※ ポケット版裏方用語辞典 (発行 金羊社・発売 星雲社) より抜粋・編集させていただきました。

 
 


 

照明用語集  ◆劇場・舞台用語集  ◆音響用語集